ポチッとな!

日々の出来事をつらつらと・・・。犬と猫が邪魔をします。。。
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カテゴリ:絵本( 24 )

絵本を飾る

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長男が生まれてからずっと絵本を毎月2冊ずつ買い集めてきて、多分我が家の本棚には400冊以上の絵本がしまわれているはず。
子どもたちがお気に入りの絵本は出番も多く、シワになったり手垢が付いたりしてボロボロになった絵本から、まだページを捲っていないような真新しい絵本まで、私にとっては唯一の宝物と言ってもいいような存在になっている。
次男が小学校3年生くらいまでは寝る前の絵本の読み聞かせをしていたけど、今ではホコリを被ってしまっていて、その所在も悩みの種になってきた。
姪が子どもを生んだのだから、幼児絵本をプレゼントしようかとも考えたけど、愛着と思い出がたっぷり沁み込んでいて手放す気持ちにはなれないし、かといって押入れの奥にしまいこむ気持ちにもなれない。
どうしようか?と考えた挙句の策で、試しに絵本を玄関の下駄箱の上に飾ってみる事にした。
どの絵本もカラフルで個性的な芸術作品だし、絵本の内容を知らない人が見ても、十分に目で楽しめるはず。うちの子達にしてみれば、幼い頃に何度も読んで聞かされた絵本だから、表紙を見ただけで物語が頭の中に浮かんでくる。
「お母さん、どうして今日はこの絵本なの?」と聞かれることもしばしばで、それはその日の私の気分だったり、子どもたちに対してささやかなメッセージだったりするのだ。
絵本を飾るようになって、たまに子どもたちが玄関で絵本を開いて読んでいる時がある。
「懐かしいね」と言って、学校から帰って来てもなかなか家の中に入ってこないこともある。

今日は私の大好きな絵本の『かぼちゃひこうせん ぷっくらこ』
昨夜から雨で、「ついてないなぁ~」という顔で出掛けていった次男に、この絵本の中のおおくまくんとこぐまくんのように、「あめも また たのし、かさ させば・・・」とケセラセラで、なんでも楽しんでしまおうよという気分で飾ってみたのでした。
それが次男に伝わらなくても、私の中のささやかな楽しみだったりするのです。
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by marjoram_house | 2006-05-10 12:26 | 絵本

絵本『りんごがたべたいねずみくん』

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<あらすじ>
木になった赤いりんご。でも、小さなねずみくんには木が高すぎてとれません。そこへ、とりくんが飛んできてひとつ食べてしまいました。次にさるくんが木に登って、ひとつ。ぞうくんは長い鼻でりんごをもぎ取り、またひとつ。いろいろ動物たちがやってきて、みんなおいしそうなりんごを取って去っていきます。どうしてもリンゴが食べたいねずみくんですが、ねずみくんはとりくんのように空も飛べないし、さるくんのように木を登ることも出来ません。ぞうくんのように長い鼻もありません。最後にやってきたあしかくんに、ねずみくんは思いの丈を吐き出します。
「きみは空が飛べるかい?きみは木が登れるかい?きみは鼻が長いかい?・・・」
だまって聞いていたあしかくんは、ニコッと笑って「ぼくはどれもできないけど、とくいなことがひとつある。」と言ってねずみくんを鼻に乗せると・・・。


今夜は久しぶりに子どもたちに絵本の読み聞かせをしました。
最近はなかなか早く寝ることが出来ずに、バタバタと用事を済ませて慌しくベッドに連れて行ってました。でも今夜は何とか9時には歯磨きも済ませ、子どもたちはベッドに潜り込んでくれました。
こういう日はだいたい「絵本を読んでよ」とリクエストがあります。
小6になる長男もまんざらイヤでもない様子。
子どもたちのベッドの横の本棚には、まだ絵本がズラリと並んでいます。
その中からその日の気分で私が一冊選ぶんですが、今日は『りんごがたべたいねずみくん』にしました。
なかえよしおさんのねずみくんシリーズは、長男も次男もお馴染みの絵本で、幼稚園の頃から大好きでした。中でもこの絵本は私もお気に入りで、大人が読んでも胸にジーンと染み込んでくるような内容です。
幼い頃なかなか自分に自信が持てなかった長男には、特に心に響く絵本になったようです。
読み終わって裏表紙を「おしまい。。。」と言いながらベッドの中の子どもたちに見せると、次男が「何だ~、その字~~!」と笑いながら叫びました。
見ると幼稚園の頃の長男が、見よう見真似で自分の名前を書いていました。
でもその字は見事な鏡文字で、ミミズが這ったよう^^;
そういえば「自分で書く」と言い張って、大きなマジックを小さな手で握って必死で書いていたっけ。あの当時の長男は何でも自分でやりたがって周りの大人をハラハラさせていました。
そして思い通りに出来ないとかんしゃくを起こして、この絵本のねずみくんのように「どうして僕には出来ないの?」と泣いてばかりいました。
そんな長男も来年は中学生。
中学生になったら長男にも、あしかくんのように「どうしたの?」と立ち止まって聞いてくれる友だちができるでしょうか?!
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by marjoram_house | 2005-12-07 22:32 | 絵本

絵本『はっぱのおうち』

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作/征矢 清
絵/林明子
出版社/福音館書店



今日は子どもたちの剣道の試合に付き添って、早起きして出掛けて来ました。
早起きした甲斐があって、長男もキャプテンの役目を(控えめだけど^^;)果たしていたと思います。
決して大活躍というわけじゃないんだけどね(笑)

そんなわけで今日は随分早起きだったし、疲れたはずなので夜はそのまま「おやすみなさい」と部屋のドアを閉めようとすると、次男から「短くても良いから絵本を読んで」とリクエストがありました。
小6と小4の男の子だけど、まだまだ絵本は現役なのだ。
そこで選んだのが林明子さんの絵が可愛らしい『はっぱのおうち』
外で遊んでいたら急に雨がポツポツと降ってきて、はっぱの木陰に雨宿りしていると、そこへ蝶々やコガネムシが次々に雨宿りにやってくるというお話。
最初は「なぁ~んだ、この絵本か」と気乗りがしていなかった長男ですが、ページを捲るごとに虫好きの長男はしっかり反応^^
絵本を読み終わって、一昨日から雨が降り続いているけど、こんな時は虫たちもどうしているんだろうね~?と親子で想像してみた。

ページ数も言葉も少ない絵本だけど、掴みはOK!
うちの子達も幼い頃からお世話になった絵本です。
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by marjoram_house | 2005-07-03 23:28 | 絵本

絵本『おおきなきがほしい』

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文/佐藤さとる
絵/村上 勉
出版社/偕成社



「おおきな おおきな 木が あると いいな。 ねぇ おかあさん。」
さとるは庭先で洗濯物を干しているお母さんに、こう呟きました。
もしも大きな木があったら、梯子を掛けられるくらいに大きかったら・・・

さとるの想像の世界が広がっていきます。

うちの子達も秘密基地というのに憧れて(今でも!)
近くの川の下にダンボールやボロ布をせっせと運んで、自分たちだけの秘密基地を作ったりしていました。
絵本の中のさとるも、庭に大きな木があったらと想像を膨らませ、木の上に小さな部屋を作り、コンロを置いてホットケーキを焼きます。
隣にはベッドを置ける部屋も作り、妹のかよちゃんも呼んであげるのです。
小鳥やリスが遊びに来て、寒い冬もストーブを置いて、みんなで楽しく過ごします。

さて、秘密基地があったとしたら、あなたなら何を持っていきますか?
私が子どもだった頃、海辺の廃船を見つけてみんなの秘密基地に利用していました。
お菓子を持ち込む子がいたり、誰が持ってきた漫画なのか、みんなで回し読みをしました。
悪い点のテスト用紙を隠したり、捨て猫や捨てイヌをこっそり飼ったりもしていました。
そこは大人の支配が届かない、子どもだけの楽園であり、安らぎの場所だったように思います。

この絵本を読んでいると、そんな子どもの頃のことを思い出しました。

もしかすると、秘密基地が欲しいのは子どもだけじゃないかも知れません。
そういえば、夫が「自分だけの書斎が欲しいなぁ~」と言ってましたっけ(笑)
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by marjoram_house | 2005-05-14 22:06 | 絵本

絵本『たいせつなこと』

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「たいせつなこと」

作/マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵/レナード・ワイスバーガー
訳/うちだややこ
フレーベル館

数年前の冬この絵本を本屋で見つけ、絵も素晴らしいのだが、私の心を惹き付け離さなかったのは、一頁にほんの数行載せられた、ひらがなだけの言葉だ。
シンプルに洗練されていて暖かく、さり気なくごく自然に心の中に入ってくる。
最初は何の変哲もない前奏があって、最後のページで愛に包み込まれるような幸せが心の中を満たして広がっていくのだ。

この絵本は物語り絵本という形態ではなく、読者に直接作者のメッセージを伝えてくる。
例えば「スプーン」。スプーンの持つ特徴をいくつか挙げていく。
人によって好みも様々で、デザインが凝っているものが好きな人もいるだろうし、大きさにこだわって自分の口にちょうどいい大きさのものを愛用している人もいるだろう。
だけどスプーンにとって最も大切なことは「それを使うと上手に食べられるということ」
こんな具合に、無機質な日用品や、雪、雨、風といった自然現象の一つずつを材料に、そのものにとって一番「大切なこと」を丁寧に確認していく作業を繰り返していく。
そして最後の最後に、物でも小動物でもない「あなた」が題材になる。
あなたとは当然読者を指している。
それは小さな子どもであったり、子どもにこの絵本を読み聞かせてる大人でもあるのだ。

あなたにとって たいせつなことは?

長男が通う小学校のクラスの(2年生)最後の読み聞かせに、私は迷わずこの絵本を選んだ。
2年間付き合ってきた子どもたちに、私なりのメッセージを伝えたかったから。
朝のざわざわした教室に始業を知らせるチャイムが鳴った。
そして静かに絵本の時間が始まる。
私が最後の絵本を皆に見せて「たいせつなこと」とタイトルを読み上げると、続いて子どもたちも
嬉しそうに「たいせつなこと」と繰り返す。
じっと絵本を見つめて聞いている子。
隣の子にちょっかいを出しながら、それでもちゃんと聞いてる男の子。
私が読む言葉の一つずつに頷いている女の子。
子どもたち一人一人を見渡す優しい先生。

あなたにとって たいせつなのは
あなたが あなたであること


最後にこの言葉を読み上げた私自身にも、胸に染みるメッセージになった。
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by marjoram_house | 2005-04-21 23:11 | 絵本

絵本『つきよ』

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「つきよ」
作/長 新太
教育画劇

長新太さんの絵本は子どもに大変人気があります。
私も大好きで、よく子ども達に読み聞かせをしました。
子ども達を惹きつけて放さない長新太さんのナンセンスユーモアは、絵本を読み終わった後にほっこりとした安心感と、心の中に暖かいものが満たされていく幸福感があって、とても心地いいのです。

物語は三日月が綺麗な夜にそっと始まります。
子狸が家に帰る途中、三日月が山肌をすーーっと滑り台のように滑って行きました。
子狸は驚いて、思わずお腹を両手できゅうっと掴んでしまいます。
それまで夜中に、一人ぼっちで家路についていた子狸の、物寂しい雰囲気が一転し、好奇心いっぱいの小さな読者を、ワクワク、ドキドキの冒険の世界へと誘い込んでいきます。
見ると子どもたちも子狸のようにぎゅっと手を握り締め、固唾を呑んで絵本に釘付けになっています。
子狸が三日月の後を追いかけて行って見ると、月は池の中で浮いていました。
子狸が見ているのを知ってか知らずか、三日月は池の中で船になったり、島になったり。
魚釣りをしたり、鳥の滑り台になってあげたり、橋になってその上をザリガニが嬉しそうに万歳しながら渡って行くのを見たり・・・と、まるで三日月のワンマンショーを子狸はたった一人で見ていたのです。

そして、最後のページで子狸はこう言います。

『いけは もりの おくのほうに あるので、せかいいちの たんけんかだって みつからないと、ぼくは おもいます。』

そうです。これは子狸だけが知っている秘密なのです。
誰にも知られたくないけど、大好きな人にはそっと教えたくなるような秘密。
自分ひとりの宝物にして仕舞っておきたいけど、ちょっとだけなら見せてあげてもいいと思える、あるいは自分だけが知っているという優越感なのです。

そして、最後まで絵本を楽しんでいた子どもたちは、隣に座っていた子と、子狸しか知り得ない秘密をすでに共有して楽しんでいます。

何だかくすぐったくて、特別なムードを持った「秘密」を、この絵本ではユーモアに包まれて楽しむことが出来ます。
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by marjoram_house | 2005-04-14 09:00 | 絵本

絵本『ラチとらいおん』

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『ラチとらいおん』

文・絵/マレーク・ベロニカ
訳/とくながやすとも
福音館書店

この絵本には大変お世話になりました。(笑)

長男が幼稚園へ入園して暫く、なかなか園に馴染めないでいました。
朝は元気に家の玄関を出るのですが、いざ幼稚園に着くと途端にしり込みしてしまうのです。
新しい友だちができることを楽しみにしていたし、入園前から知っている友達も何人かいました。
先生もベテランで任せて安心といった信頼感があり、長男も馴染んでるようでした。
それなのに幼稚園の玄関に着くと、保育室に入る勇気がでないのです。
長男が初めての子どもという事もあって、母親である私も緊張していたのかもしれません。
親子分離が上手くいかず、もじもじしている長男を励ますのに辛い思いをしていました。
そんな「明日は大丈夫だろうか?」と朝が来るのが憂鬱になりかけてた時、やっとこの絵本に出会いました。

物語はなんともさえない、ラチという名前の男の子が主人公です。
1ページ目から「せかいじゅうで いちばん よわむしでした。」と作者に宣言されてしまうほどの情けなさです。
そんなラチの元に小さな赤いライオンが突然現れました。
そのライオンはラチが期待していたのとは反対の、小さくて弱そうな見かけをしています。

でも、そんな見かけとは大違い。心身共に強いライオンはラチの心の支えになり、自分に自信が持てなくて「自分は弱虫だ」と思い込んでいるラチを励まし鍛えていきます。
そして、今まで恐くてどうしても出来なかったことが次々と克服できるようになりました。
それもライオンがずっと側にいてくれるから。
いつもラチのポケットの中にライオンはいて見守っていてくれるのです。
恐いものなしのラチはある日、友だちのボールをいじめっ子から取り戻すことに成功しました。今までの弱虫なラチからは想像も出来ない勇姿です。そしていつものようにライオンがいるはずのポケットに手をやると、中にあったのはライオンではなく、赤いりんごでした。
慌てて家に帰ってライオンの姿を探すと、そこにはライオンからの一通の手紙が残されていました。
その手紙には、こう書かれてあります。

『ラチくんへ  きみは、らいおんと おなじくらいつよくなったね。もう、ぼくがいなくても だいじょうぶだよ。ぼくは これから よわむしのこどものところへいって、つよいこどもにしてやらなくちゃならないんだ。ぼくを いつまでも わすれないでくれたまえ。ぼくも、きみのことは わすれないよ。じゃ、さよなら らいおんより』

この手紙を読んでいるラチは涙を流しています。
友達との別れは辛いですものね。
でも、これでまた弱虫に逆戻りなんかしませんでした。
なぜなら、ラチは自分のことを自慢に思ってくれているライオンの存在を感じることができるし、何よりラチ自身、勇気のある立派な飛行士になる夢を持っていたのですから。

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私は当時、長男にこの絵本を朝幼稚園に出掛ける時と、夜寝る前に読んでやっていました。
そして、フェルトで小さなライオンのマスコットを作ってカバンにぶら下げてやりました。
すると、幼稚園の玄関で「またね!」と私に手を振り、フェルトのライオンを握り締め、保育室に真直ぐ歩いていく長男の姿がありました。
長男もラチのように、ただ自分で自分のことに自信が持てなかっただけなのだと思います。
「何事も気の持ちよう」なのですが、純真な子どもには、絵本という魔法の威力は絶大なのです。
長男に続いて翌々年、幼稚園入園した次男がこの魔法にかかってくれました(笑)
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by marjoram_house | 2005-03-31 18:08 | 絵本

絵本『ねぇ どれがいい?』

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「ねえ、どれが いい?」

ジョン・バーニンガム/作
まつかわまゆみ/訳
評論社


この絵本は読み聞かせをしていても、子どもたちに大変人気のある絵本のひとつです。
受けを狙ったり^^笑いが欲しい時、この絵本は必ずその期待にこたえてくれるので、とても重宝しました。

この絵本は物語り絵本ではありません。合計16問の究極の選択集です。
まず最初の選択は、男の子が自分の家から犬と一緒に出て来る場面から始まります。
そして唐突に「もしもだよ、君んちの周りが変わるとしたら、大水と、大雪と、ジャングルと、ねえ、どれがいい?」と始まります。
じっくり悩んでる暇はありません。子供たちも直感で選んでいきます。
子ども達が大爆笑しながらも、真剣に悩んでしまう問題が「どれなら食べられる?蜘蛛のシチュー、カタツムリのお団子、虫のおかゆ、蛇のジュース」というもの。ナンセンスの極みです!
そして、その次の問題が「二千円でトゲのあるイバラに飛び込むのと、一万円で死んだカエルを飲み込むのと、二万円でお化け屋敷に泊まるのと、どれがいい?」この辺にくると、読み手の私までちょっとマジで考えてしまいます(笑)

私はこの絵本を、鳥取県を中心に被害が大きかった西部大地震があった後、当時1年生だった長男のクラスで読み聞かせをしました。

地震のあった平成12年10月6日午後1時30分、私は自宅で友だちとお茶を飲んでました。
子ども達はそれぞれ幼稚園と小学校です。主人は仕事でした。後で見たテレビニュースでは「マグニチュード6」と発表されてました。
地震のあった瞬間、私は阪神淡路大震災のテレビ画面から流されてきた、あの悲惨な情景が頭に浮かびましたが、救急車や消防車のサイレンも聞こえてこなかったし、家の窓から見える景色にも変化が無く、その後子ども達も無事に帰ってきて、主人の無事も確認できました。
その後のマスコミ報道で、被害はあったものの死者が出なかったことで胸を撫で下ろしていました。

ところが、少々神経質な長男の様子がいつもと違ってました。
朝、元気な声で「行って来ます」と出掛けたと思うと、顔に恐怖の色を浮かべて玄関で立ち竦んでいます。
ゴーゴーと吹く大風が恐い、雷はもちろん、川が氾濫するんじゃないかと思えて大雨が恐い。
どれもこれも学校に居る時に体験した大地震を思い起こさせるのでしょう、学校へ行くのもやっとのこと。
私が学校まで車で送った日もありました。

さて、絵本の読み聞かせの当日です。
私はなるべく明るく、ユーモアのある絵本を選んで教室に入りました。
そして「ねえ、どれがいい?」と読みは始めると、笑いながら、悩みながら、あるいはじっくり考えながら、絵本に登場する男の子と一緒にSF小説に出てくるような冒険を、どの子も楽しんでいます。
「どれを手伝う?妖精の魔法、小人の宝捜し、魔物のいたずら、魔女のシチュー作り、サンタクロースのプレゼント配り」この問題などは童話の中のひとコマのようです。
あるいは「お父さんが学校で踊っちゃうのと、お母さんが喫茶店で怒鳴るのと、どっちがいや?」というような、顔から火が出るような思いもした後、この絵本は最後に「それともさ、もしかしたら本当は、自分のベッドで眠りたい?」と羽布団に包まれてるような安心感を与えてくれます。

翌日の担任の先生から「地震のあった後、不安を感じてる生徒が何人かいましたが、絵本にあったような問題を自分達で考えて出し合うという遊びが流行り、クラスの雰囲気が以前のように明るくなりました」というお便りを貰いました。
きっと絵本が無くても子ども達はすぐに明るさを取り戻したのでしょうが(笑)、数日後、たまたま出会ったクラスの女の子に呼び止められました。そして「あのねぇ、私やっぱりジャングルがいいな!」と教えてくれました。
その子はずっと考えていたんでしょうかね?
そして恐がり屋の長男も少しずつ平静さを取り戻し、元気に毎日を過ごすようになりました。
それまでに何度か「読んで」とこの絵本を持ってきていたので、この絵本の助けもあったのかもしれませんね!
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by marjoram_house | 2005-03-29 10:16 | 絵本

児童書『ムーミン谷の仲間たち』

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「ムーミン谷の仲間たち」

トーベ・ヤンソン/作・絵
山室 静/訳
講談社


「ムーミン」とは皆さんよくご存知のあのムーミンです。
私が幼い頃に放映されてたムーミンは、当時のテレビアニメの中でもひときわ異彩を放ってたように思う。
女の子に人気のアニメは魔法使いを題材にしたカワイ子チャン的なもだったり、男の子に人気のアニメはウルトラマンとかのヒーローのもが多かった。
そんな中で、どこか怪しげな雰囲気でストーリーもスカッとするような爽快感もなく、幼児向けというにはスナフキンなどのセリフが大人びていて、当時の私にはきっと理解できてなかっただろう。
最近ではビデオで見ることもできるが、古本屋で文庫本をみつけたのでさっそく購入。
読んでみると解るのだが、作者のトーべ・ヤンソンさんの哲学がびっしり詰め込まれている。
ヤンソンさん曰く「私の書く物語が他の誰かを対象にしているとすれば、それは‘スクルット’たちです。
‘スクルット’とは、何らかの環境に馴染めずに苦しんでいるような人たち、社会のすみっこで見捨てられてる人たちのことです。」と言っている。
そう思って読んでみると思い当たることがいっぱい出てくる。
ムーミンのように両親に暖かく包まれ素直に育っている主人公の周りに、ミーのように意地悪で自分勝手な女の子。
体は大きいのに気が小さくて恐がり屋のスニフ。
孤独を愛する詩人のスナフキン。
モランやニョロニョロ、飛行鬼などの不気味な存在。
様々な登場人物の性格が折り重なった人生の不安や不条理が題材になっている。
そしてそうしたもの全てを、確立した人生肯定的な見方で救い上げ、愛情やユーモアをもって優しく問い掛けてくるのだ。


* * * * * * * * *

以上は以前、私が日記に書いた「ムーミン」の感想です。
この「ムーミン谷の仲間たち」を手に取るまでは、さして関心もなかった童話だったけれど、読み進むに連れて作者①トーベ・ヤンソンの哲学に大きく傾倒していきました。
それはやはり、物語の中で作者がスナフキンに言わせてる②言葉で伺えるように、私は自由を失ったことになるのかもしれませんが。

幾つかのシリーズの中でも、この「ムーミン谷の仲間たち」では、心のどこかに不安や悩みを抱えた人物が多く登場してきます。
その心の問題は誰もが経験しうる事柄で、容易に理解できるものばかりです。
そして、それらの問題を解決するに当たって作者は、メルヘンにありがちな英雄や魔法などの奇跡を使ったりしません。
そして強者と弱者も、賢者と愚者も存在しないのです。
全てはこの物語の登場人物の人柄や特質による自然の成り行きで解決していきます。

ここでこのシリーズの中の「目に見えない子」というお話を、ひとつ紹介しておきましょう。
ある日ムーミン一家のところに、ニンニという姿が見えなくなった女の子が預けられることになりました。
ニンニは以前世話になっていた意地悪なおばさんの皮肉を、毎日のように浴びせかけられたことが原因で声が出なくなり、全身の姿が見えなくなってしまったのです。
ニンニの存在を知る手掛かりは、首に掛けられた鈴だけ。
そんなニンニをムーミン一家は暖かく迎え入れました。
人懐っこく素直なムーミンは、ニンニを歓迎し色んな遊びに誘って仲間になろうと試みます。
ムーミンとは反対に、物事に単刀直入で積極的なミイは、常に受け身で逆らうことをせず、怯えてばかりのニンニの存在に苛立ち、③挑発的な言葉を投げかけ、自分自身で発奮することを期待します。
ところが、ニンニのからだの首から下を徐々に見えるようにしたのは、ムーミンママの優しさと心くばりでした。

でも、まだどうしても顔を見ることが出来ないでいます。

ある日、みんなで海辺へ出掛けた時のこと。
ムーミンママが桟橋で佇んでいるのを見たムーミンパパが、いつもの茶目っ気を披露したくなりました。
ママを脅かすフリをして子どもたちを喜ばせてやろうと考えたのです。
そーっとママの後ろに忍び寄るパパ。
そして、ママが驚くより先に、ニンニがパパのシッポにガブッと噛み付き、パパは悲鳴と共に海の中に落っこちてしまいました。
ニンニはパパに向かって心の底から激怒します。
「おばさんを、こんな大きな怖い海につきおとしたら、きかないから!」と叫びながら、桟橋の上に突っ立ていました。
そしてついに小さな怒った顔が現れたのです。
ニンニはミイが指摘したとおりに、おそらく生まれて初めて怒りという感情を発散させ、闘うすべを身に着けたのでしょう。偶然起こった事件をきっかけにして。

人間の持っている全ての感情には「命の躍動」が潜んでいます。
そのどれかひとつでも欠けていてはいけないと私は思います。
「怒り」というマイナスのイメージを持つ感情も、この物語では決して否定されることなく大きな慈愛によって包まれているのです。


①トーベ・ヤンソン。
画家、挿絵画家、風刺漫画家、小説家、童話作家。
1945年に執筆された 『小さなトロールと大きな洪水』を皮切りに「ムーミン」シリーズを発表し、
世界的に高い評価を獲得。国際アンデルセン大賞をはじめ、数多くの賞を受賞した。
1914年、ヘルシンキ生まれ。2001年、86歳で死去。

②言葉。
「ムーミン谷の仲間たち」~春のしらべ~より。
「あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、ほんとの自由はえられないんだぜ。」

③挑発的な言葉。
「ムーミン谷の仲間たち」~目に見えない子~より。
「この人はおこることもできないんだわ。」と、ちびのミイはいいました。
それから、ニンニのそばへよっていくと、こわい顔をしていったのです。
「それがあんたのわるいところよ。たたかうってことをおぼえないうちは、
あんたにはじぶんの顔はもてません。」
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by marjoram_house | 2005-03-27 23:16 | 絵本

絵本『あおくん と きいろちゃん』

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「あおくん と きいろちゃん」

作/レオ・レオーニ
訳/藤田圭雄
至光社


私はこの絵本ほど、簡潔な絵と言葉で感動を与えてくれる絵本を他に知りません。

タイトルの「あおくん と きいろちゃん」と書かれた表紙に青い玉と黄色の玉がふたつだけ、少し重なって描かれています。
これだけでは何のことだか解りません。
ところが表紙をめくり、扉をめくってドキッとします。
そこには紙に青の絵の具をぽたりと垂らしたような、丸い染みが一つだけあります。
そして、この何の変哲もないただの染みが「あおくんです」のたった一言で命を吹きかけられるのです!
このあおくんは、たちまち小さな男の子になってしまいました。
物語は言葉の魔法で、ただの青い染みの玉が人格を持った「おおくん」をどんどん生み出していくのです。
あおくんはどこにでもいるやんちゃな男の子かもしれません。その証拠に留守番をお母さんから頼まれたのに、仲良しのきいろちゃんのお家に遊びに行ってしまったのですから。

あおくんときいろちゃんは飛んだり跳ねたり。友だちとも一緒にかくれんぼやかごめかごめをして楽しそうです。
二人は共に楽しい時を過ごし、心と心のふれあいに喜びを覚え融和し、ひとつの緑色の玉になりました。
楽しかった気持ちや友だちとの連帯感。そんな幸せな気持ちを胸にいっぱい詰め込んで、二人はそれぞれの家に帰りました。パパやママにこの気持ちを報告したかったに違いありません。
ところが緑になったあおくんときいろちゃんを、我が子だと解らずに、あおくんの両親もきいろちゃんの両親も「うちの子じゃないよ」と二人を拒絶してしまいます。
子どもにとって最も悲しいことは、親に(特に母親)あるがままの自分を受け入れてもらえないことでしょう。
レオ・レオーニは、この子どもの悲しみを、緑の玉から青と黄色の紙ふぶきが飛び散るように描いています。
まるで心がこなごなに壊れ、涙を流しているようです。
文中にもこうあります。
「おおつぶの あおい なみだと きろい なみだが こぼれました」
「ないて ないて なきました」
「ふたりは ぜんぶ なみだになってしまいました」
絵本を見ている子どもたちの表情も今にも泣き出しそうな顔をしています。
この色の玉に自分を重ねているのです。
でも、だいじょうぶ!涙になった二人はもとのあおくんときいろちゃんに元通り。
二人を抱き上げ、重なったところが緑色になりました。
やっと訳が解った親たちも嬉しくて、やっぱり緑色になりましたよ。
パパやママたちも、なかなか帰ってこないあおくんやきいろちゃんのことが心配だったに違いないのですから。

初めてこの絵本を手にした時、ただの色の玉に、こんなにも簡単に感情移入が出来てしまうことが不思議でした。
この作品はレオ・レオーニが、アトリエで創作をしていた時、尋ねてきた孫たちにせがまれて誕生した、偶然の産物だったという逸話が残されています。
おじいちゃんであるレオと孫たちとの心のふれあいが、そんな奇跡を生み出したのかもしれませんね。
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by marjoram_house | 2005-03-26 00:47 | 絵本
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