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by marjoram_house

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』

イブラヒムおじさんとコーランの花たち
/ ハピネット・ピクチャーズ
スコア選択: ★★★★





<あらすじ>
ユダヤ人少年モモは父親と2人暮らし。母親は彼が生まれてすぐに家出。父親からも十分な愛情を注がれずに育ったモモは思春期の孤独の中にいた。アパルトマンの向かいにあるイブラヒムおじさんが経営する小さな食料品店から、お金や品物をくすねるモモ。万引きが発覚した時、イブラヒムは意外な一言を口にした。「やるなら家の店でやりなさい、ただしほかではやってはいけないよ」と。そんなイブラヒムから生きる知恵や愛情をいっぱいに受け、心を開いていくモモ。そんなある日、失業中のモモの父親は自殺してしまう…。<by goo映画>


この映画は、エリック=エマニュエル・シュミットがコーランと実在した祖父の思い出を元に描いたベストセラーを映画化したものだそうだ。
とにかくイブラヒムおじさんを演じたオマー・シャリフがとにかく素敵でした。
物語の背景としてはイスラム教やユダヤ人の問題が根強く描かれていて、知識が乏しい私にはちょっと理解できないところがあったんだけど、家族の愛を知らずに育った少年モモの孤独と、思春期を駆け抜けようとする心の葛藤は痛いほど伝わってきました。
でも映画全般で流れる60年代に流行ったアメリカンポップスやフランスのアイドルのアップテンポの曲が、孤独や葛藤に勝る若さのエネルギーを表現してるようで、悲壮感はかき消されていた。
物語の所々でイブラヒムおじさんがモモに語る、意味深い言葉が印象的。
イブラヒムおじさんの雑貨店で、買い物のたびに万引きをしているモモに「盗み続けるならうちの店でやってくれ、決して他ではしないように」と穏やかに語りかける場面では、深い愛情が滲み出ていた。
母に捨てられ父にも自殺されたモモに、「笑ってごらん、幸せになれるから」と、時に排他的になる少年モモの心に、人生の素晴らしさを教えていた。

全体的にあっさりした感じがあるが、素晴らしい映画でした。
by marjoram_house | 2005-05-18 17:51 | 映画・テレビ
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